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ポンコツ弁護士に相続手続きを頼んだら約300万円の損をしかけた話⑤懲戒請求と紛議調停

ポンコツ弁護士に相続手続きを頼んだら約300万円の損をしかけた話

——弁護士との長い交渉記録【第5話】


→ 前回のお話はこちら


目次

持つべきものは友人

J損害保険会社の審査は2024年を通じて続いた。

審査は月一度の「審査会」形式で進み、一度追加資料が必要と判断されればそのたびに翌月に持ち越しになる。私が主張内容を細かく指示し、K弁護士に何度も追加の書類を提出させてきた。

その過程で並行して、私はある決断をしていた。

——情報を集め、使える手段をすべて把握した上で交渉に臨もう。


高校時代の友人に相談した。

高校の友人に、大阪で法律事務所を開業している弁護士がいる。

もともと最初の相続手続きのとき彼に頼むという選択肢もあったが、企業法務が中心で個人の小さな案件は頼みにくいと思ったこと、実家の母がやり取りするには距離があることで、声をかけなかった。

しかし今は話が違う。私はK弁護士の対応の経緯をまとめてメッセージし、状況を話した。

友人は快く相談に応じてくれた。そして、こんなことを教えてくれた。

「空き家控除みたいなよくある特例を見落とすなんて、他の弁護士に知られたら相当恥ずかしい話だよ。K弁護士としては、あまり公になってほしくないはずじゃないかな」

さらに、こう続けた。

「弁護士の対応に納得いかないなら、所属する弁護士会に懲戒請求紛議調停を申し立てるという手段がある」


懲戒請求紛議調停

「懲戒請求」という言葉はSNSで時々聞いていたので、言葉としては知っていた。しかし、まさか自分が実際に使うかどうか考える日が来るとは思わなかった。。

友人の話を受けて、私は弁護士会に相談の電話を入れた。

弁護士会の担当者はていねいに、懲戒請求と紛議調停のやり方を教えてくれた。

  • 懲戒請求:弁護士の不正行為・業務上の違反を弁護士会に申し立て、戒告・業務停止・除名などの処分を求めるもの
  • 紛議調停:弁護士と依頼人の間のトラブルを弁護士会が仲介して解決を図るもの

これらは、依頼人として正当に使える制度だ。知らなければ何も持たずに交渉するだけだが、知っていれば交渉テーブルの構図が変わる。


そしてK弁護士に「前科」があることがわかった。

対応してくれた弁護士会の人にK弁護士についての不満を述べていると、K弁護士について調べてくれて、K弁護士が過去に懲戒請求を受けたことがあるという「前科」を教えてくれた。

その内容は、ある刑事事件で弁護人に選任されていないにもかかわらず、弁護人として選任されたと偽り、自分の別の案件のために被疑者と面会したというものだった。

それがどのような意味を持つかは専門家ではないので正確にはわからないが、素人目にみてもかなり悪質だと感じる。

今回の相続手続きに限らず、K弁護士の「やってはいけないこと」に対する感覚の問題が見えた気がした。

ちなみに懲戒を受けた場合、その情報は公開されるようで、私もK弁護士の名前で検索したところ、「弁護士自治を考える会」というサイトで懲戒の詳細を確認することができた。今後、弁護士を依頼する際は、事前に確認することをお勧めします。まあ、こんなひどい弁護士もなかなかいないと思うので、大部分の場合は大丈夫だと思いますが。。ほかにもこの弁護士自治を考える会のサイトには、懲戒請求の書き方などのコンテンツもある。


損害額の全容判明と、保険審査の最終結果。

2025年3月、J損害保険会社の最終的な審査結果が出た。

審査で争点になったのは、土地全体に占める「駐車場部分の割合」だった。この割合が小さければ小さいほど特例の適用率が上がり、補償額も増える。

私はできる限り小さい面積で主張するよう求めてきたが、審査会の最終判断は駐車場割合29.7%、特例適用は70.2%と認定した。

また、保険審査の過程で私が気づいたのは、損害が税金だけではないということだ。空き家特例が受けられなかったことで、父の「みなし収入」が増えた扱いになり、社会保険料も大幅に増えていた。

損害額の全容はこうなる。実は被った被害は300万どころではなく約350万ほどになるのだ。

項目金額
不動産譲渡所得税216万2400円
復興特別所得税4万5410円
住民税69万9700円
介護保険料7万7620円
国民健康保険税1万800円
後期高齢者医療保険料55万7900円
合計355万3830円

そしてJ損害保険会社が支払う保険金として認定されたのは、249万6387円(355万3830円 × 70.2%)だった。

ここで、K弁護士から連絡が来た。

「保険会社の決定を受け入れて、249万円お支払いするということでよろしいでしょうか。」

私は即座に準備していた文面をメールした。


第6話へつづく

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