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ポンコツ弁護士に相続手続きを頼んだら約300万円の損をしかけた話⑥【完結】全額回収でも被害ゼロとはいかず。。

ポンコツ弁護士に相続手続きを頼んだら約300万円の損をしかけた話

——弁護士との長い交渉記録【第6話・最終回】


→ 前回のお話はこちら


目次

ようやくこちらのターン

「保険会社の決定を受け入れて、249万円で解決でいかがでしょうか。よろしければ、書面を準備します」

おそらく、K弁護士から保険会社の賠償額での支払いのみで済ませようとするだろうと考えていた私はすぐに返信した。


少し長くなるが、その時のメールを一部抜粋して転載する。

K弁護士様

争点としましては、駐車場の賃貸借によって、駐車場部分の空き家控除が受けられたかどうかという点になるかと思います。

K弁護士は駐車場部分の空き家控除が受けられないと主張されていて、その根拠として、下記の通り、述べられています。

引用はじめ

「まず、駐車場部分の件です。賃貸借の契約書は存在していませんでしたが、被相続人(私の祖父)名義の銀行口座に毎月3000円が「祖父の隣人」から振り込まれていた形跡が残っているので、税務署より問合せがあった場合に賃貸借そのものがなかったとすることは困難です。 また、これは、必ず行われるものではないのですが、税務署が反面調査として隣人である西村氏にも確認をとる場合があります。
 月額が3000円とかなり少額で、実質的には使用貸借の可能性もありますが、以前、税務署を訪問して確認したところ、税務上は、無償でも他人が使用していれば、貸付けに当たるとのことでした。」

引用終わり

今回の駐車場の貸借は契約書もなく、月額3000円で(私の祖父)が(私の隣人氏)と口約束でしていた貸借であり、実際、解除を隣人に依頼した際も契約の履行を求められることもなく、速やかに解除できた性質のものです。

控除が受けられなくなる「貸付の用」に当たるかどうかは税務署、関西税理士会の回答とも「(貸付の用にあたる)可能性がある」「(貸付の用にあたらない)可能性がある」という判断にとどまり、K弁護士が適切な手続きをせずに、処理が終わった今となっては実際どう判断されたかを検証する機会は失われました。

K弁護士は、ご自分に有利な「貸付の用にあたる可能性が高い」という前提で話されていますが、異議があります。

その根拠を以下に述べます。

K弁護士より税務署にて「他人に貸している部分が土地全体の10%以下の場合であれば、全体を被相続人居住用物件として全部につき特例が適用される」という事実を確認されたと伺っています。

今回、駐車場の面積を明確には(祖父の隣人氏)と取り決めをしていませんでした。

そのため、適切に控除について調査をしていれば、税務署から得た情報をもとに、駐車場部分を10%以下として下記のように申請方針を立てることができたと考えられます。

「契約は口頭によるものであり、賃料も地域相場から大幅に低額であることから、土地の一部について使用許可的な性格のものであったと主張する。」

※計算式

駐車場1台(12.5㎡)の付近の相場 15,000円/月

1㎡あたり単価 1,200円/㎡(15,000円÷12.5㎡※一般的な一台分の面積)

実際の受領賃料 3,000円/月

賃料から逆算した面積 2.5㎡(3,000円 ÷ 1,200円) 土地全体の10%(7.4平方メートル)を越えることはない。

また、今回、駐車場貸借問題を除けば、申請に必要な条件はすべて満たしており、区役所が発行する被相続人居住用家屋等確認書の取得を妨げる問題はなかったと考えています。

問題なく、控除を申請することはできたと思いますし、その場合、通帳の履歴を調べる可能性、また、月3000円の振込の履歴を今回の売買と関連付けて問題視する可能性は低いと考えています。当方が追徴課税があるリスクを考慮の上で、申請することは可能でした。

そのため、結論としては、本件は、「土地全体」の空き家控除の特例を受けることができた可能性が相当高いと考えています。

しかし、K弁護士の落ち度のせいで、「その可能性を検証する機会」は失われました。

その責任は大きく、保険会社の判断に関わらず、K弁護士はあくまで「土地全体」の控除相当金額を負担いただく責任があると考えています。

K弁護士の対応に関してです。

今回の一連の対応では、下記の点で問題があったと考えております。

・今回、不動産売却の税金について全く考慮せず、手続きを行ったため、控除を受けることができなくなり、当方は大きな金銭的損失を被ることになりました。しかし、事態が発覚した際は、K弁護士に相当の責任があることを全く説明せず、当方にそのまま支払うように促しました。

最終的には、当方が激しく抗議をして、弁護士賠償保険の使用を提案していただきましたが、こちらは大変不誠実な対応であり、悪質だと考えております。

また、補足いたしますが、K弁護士はご自身の法律事務所のウェブサイトでも相続の経験が豊富であるとアピールされています。(インターネットウェブアーカイブにて2021年12月の時点ではすでに掲載されていることを確認しています。)

当方もですし、K弁護士を成年後見人に指定した(関西の某)裁判所においてもそのような情報を参考に選定したのではないかと思います。

しかし、実際は、今回、当方から税金について確認して初めて納税の処理についての対応を始めたということになります。

・10月16日の電話での駐車場の面積についてのやりとり

保険会社より駐車場部分が控除対象外となり、その面積によって金額が変わると報告を受けたので、できるだけ小さく算定できないかあらためて面積算定の根拠を考えてもらうように依頼しましたが、K弁護士に拒否されました。

審査会や第三者が判断するべきものをK弁護士の主観で無理だと思うからやりたくないということで拒否されました。無理かどうかを判断するのは審査会などであって、K弁護士が判断することではないし、当方の成年後見人という立場であるならば、依頼人の利益になるように一緒に考えるべきところを全くそのような動きは見えませんでした。(この時も強く抗議し、最終的には動いていただくことになりました)

・依頼者に適切に回答をせず、その結果、保険の審査会での機会を失い、解決を遅延させました。

メールを受領した際に、確認のメールやすぐに回答できないなら、そのスケジュール感をいただきたいと再三お願いしていますが、なかなか頂けない状況が続きました。

とうとう、10月17日に次回の審査会があるという非常に重要な情報の連絡が漏れており、10月16日に電話でこちらから確認して、初めて教えてもらったという状況です。結果として、月1回の保険会社の審査会の機会を失い、1か月、解決が遅延しました。

当方の認識に誤りなどあれば、お知らせください。そのうえで当方の要望を受け入れていただけないということでしたら、弁護士会への紛議調停申立・懲戒請求の提出を行います。


メールの内容は我ながら、見返してみると長い(かつなかなかしつこい。。)ので、まとめると私はK弁護士に、以下のことを伝えた。

  • 今回の案件は、空き家控除を満額受けられる可能性があったと考えている。
  • しかし、適切にK弁護士が処理しなかったため、その可能性がなくなった。
  • K弁護士の責任だと考えているので、空き家控除満額相当分を負担してほしい。
  • 負担してもらえないなら、弁護士会に懲戒請求と紛議調停をする予定だ。

こちらの要求は全面的に受け入れられた

結果的にK弁護士は全面的に受け入れた。

K弁護士から「3週間、返事の猶予をいただきたい」と求められた。

対抗策を準備しているのかと一瞬身構えたが——3週間後、なにも来なかった。全面的に要求を受け入れると回答があった。

できることが何もないとわかったのだろうか?こんな面倒な依頼人の相手をしてられないと思ったのかもしれない。


合意書に「口外禁止条項」を入れようとされたが、断った。

合意内容を文書化する段階で、K弁護士側から合意書の草案が送られてきた。

その中に、「この件の内容を第三者に口外しないこと」という条項が入っていた。

私はこれを断った。

こちらが口外禁止条項を飲む筋合いはない。K弁護士のミスの事実は、私や父が被害を受けた記録だ。それを語る権利を制限されることには同意できない。

K弁護士はこの条項を削除した上で示談書を再提出した。

——だからこそ、今こうしてブログに書くことができている。


最終的な合意内容:344万3830円の全額回収。

2025年4月、K弁護士との間で損害額355万3830円のすべてについて支払うという内容の合意書を作成した。

最初に聞いていた税金約300万とあとから増えるとわかった社会保険料約55万。ここから、もし適切に処理していたら、かかったであろう税理士費用の想定金額11万を引いた金額を賠償額として合意した。

支払い主金額
J損害保険会社(保険金)249万6387円
K弁護士(自己負担)94万7443円
合計344万3830円

保険会社が認定しなかった約95万円を、K弁護士は自分の財布から出して払った。

2025年5月、示談合意書が取り交わされ、父名義の口座に344万3830円が振り込まれた。

長かった戦いが、ここで終わった。


後日談:どこまでもK弁護士に苦労する。

本来の計画では、この相続案件が終われば、K弁護士が後見人を退いて、私(親族後見人)に一本化する予定だった。最初に裁判所に成年後見人の相談をした際に、裁判所からその方向で提案されて、K弁護士との付き合いがつづいていたのだ。

ところが、K弁護士の金銭管理が全くできていなかったことが裁判所の判断に影響し、その管理状況をベースに動いていた私(親族後見人)の対応も、「成年後見人としての条件を満たしていない」と判断されてしまった。

結果として、新たに別の司法書士に後見人を依頼をやり直しをすることになった。本来、K弁護士が適切に処理できていれば、かからなかった司法書士への報酬が追加で発生することになる。

「どこまでもK弁護士には苦労する……」

一方で、反省する点も多かった。

このように弁護士に依頼することが初めてだったので、どこまでお任せするべきものだったのかわからなかったという言い訳はあるが、振り返ってみると弁護士に任せすぎたとは思う。

K弁護士が特別に悪い弁護士だったのかどうかは、私には判断できない。ただ、「専門家に任せれば大丈夫」という思い込みが、今回の損害の遠因になったのは確かだ。

相続という、人生に何度もあるわけではない手続きを、私はほぼ知識ゼロで弁護士に丸投げした。その結果として、数百万円の選択肢を見逃し、取り戻すために一年以上を費やした。

この記録が少しでも誰かのお役に立てば幸いです。そう思って、書いてみました。最後までお読みいただきありがとうございました。

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